【電撃ゲームス】読む。ケイオスリングス(その7) [iPhone・Mac]
ーー今回、男女のペアを4組設定し、平行して進む(最初に選べるペアはエッシャー/ミューシャ、シャモ/イルカの2組のみ)章立てのように全体のストーリーが進んでいきますが、この流れを採用された意図等をお聞かせください。
徳永:今作はiPhone/iPod touchがプラットフォームであるということを強く意識しました。まず、携帯電話に近い感覚でゲームをプレイすると考えると、長ったらしいイベントを見るのは苦痛だろうと。たとえ、イベントが「あっさり」気味になってしまうデメリットがあったとしても1つ1つのイベントを短めに、テンポ重視で、かつ10分に1回はなにかしらのイベントが発生する……という枠組みを作りました。
また、イベントの多くを「プレイヤー側からアプローチすることで発生する」村人タイプにすることで強制感を和らげたつもりです。早いスパンで1回目のエンディングに到達するのもテンポを重視した結果です。ただ、1回目のエンディングのあと、少しうろちょろするとすぐに続きへのヒントが現われるはずなので、ぜひ真のエンディングまでプレイしてみてください。
ペアというアイディアもiPhone/iPod touchが媒体であるということが大きな理由です。ポリゴンを多く使えないので仲間の数は制限する必要があったのですが、ただの2人パーティーだと手ぬき感が拭えません。そこで「2人でなければならない」という理由をこじつけることで、ユーザーのみなさまにそれを悟られにくいようにしました(ここでバラしてしまいましたが)。
ーーそれぞれのペアが代表する感情(エッシャーとミューシャであれば「復讐心」が大きなテーマになっている)と、それを設定された意図をお聞かせください。
徳永:本当は「主人公は喋らない」タイプのゲームにしたかったのですが、4組にわかれて全キャラが登場するので必然的に「性格」は必要になりました。ですが、テンポを重視するという視点から各キャラの性格を長々と最初から語りたくはありませんでした。そこで「初見でわかりやすくインパクトのあるキャラクター設定にしよう」 という意図で、それぞれのペアの関係を若干特殊なものにしてあります。
さらに、全員主人公なんだ! という気概を込めて「捨てキャラ」は作っていません。1人でも欠けるとこのお話は成り立たない……くらいの愛情で各キャラには登場してもらっています(ギャリックとアルトにもしっかりとしたバックボーンがありますよ!)。
ーーストーリーの大きな流れを通して、表現したかったコンセプトをお聞かせください。
徳永:いまどきのJRPGの大ボスは「人間であり、何か戦わなければならない理由がある」というパターンが多いのですが、私としては「絶対的な脅威……戦う理由なんて要らない! 戦わなければこっちが滅びるだけだ!!」みたいな大ボスが好物なので、まずそれを配置しました。
また、ユーザーが最初にゲームをプレイしはじめるうえで、設定上の理由が必要だと思うのですが、長々とその動機を提示しているとテンポが悪くなる恐れがありました。なので、ユーザーに対して、一言でキャラクターが戦う理由を説明できるような設定にしようと考えました。たとえば……
(1)魔王がいる。
(2)世界が闇に侵食されたから取り戻さなきゃ。
(3)そこに山があるから!
などの設定が思いつきますが、せっかくなら今までのゲームではあまりなかったような世界観にしようと。そこで、映画や他ジャンルでならよく見かけますがゲームでは意外とない「例の設定」を基本ベースとすることにしました。あとは「例の設定」をいかにオリジナルに変換するか……ということを強く意識しました。
パクっているんじゃないですよ!オマージュですよ!! プレイしていただければわかっていただけるはずです!!
※この文章は電撃ゲームス 5月21日発売号に掲載されたものです。
※「ケイオスリングス」をiTunesで!
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徳永:今作はiPhone/iPod touchがプラットフォームであるということを強く意識しました。まず、携帯電話に近い感覚でゲームをプレイすると考えると、長ったらしいイベントを見るのは苦痛だろうと。たとえ、イベントが「あっさり」気味になってしまうデメリットがあったとしても1つ1つのイベントを短めに、テンポ重視で、かつ10分に1回はなにかしらのイベントが発生する……という枠組みを作りました。
また、イベントの多くを「プレイヤー側からアプローチすることで発生する」村人タイプにすることで強制感を和らげたつもりです。早いスパンで1回目のエンディングに到達するのもテンポを重視した結果です。ただ、1回目のエンディングのあと、少しうろちょろするとすぐに続きへのヒントが現われるはずなので、ぜひ真のエンディングまでプレイしてみてください。
ペアというアイディアもiPhone/iPod touchが媒体であるということが大きな理由です。ポリゴンを多く使えないので仲間の数は制限する必要があったのですが、ただの2人パーティーだと手ぬき感が拭えません。そこで「2人でなければならない」という理由をこじつけることで、ユーザーのみなさまにそれを悟られにくいようにしました(ここでバラしてしまいましたが)。
ーーそれぞれのペアが代表する感情(エッシャーとミューシャであれば「復讐心」が大きなテーマになっている)と、それを設定された意図をお聞かせください。
徳永:本当は「主人公は喋らない」タイプのゲームにしたかったのですが、4組にわかれて全キャラが登場するので必然的に「性格」は必要になりました。ですが、テンポを重視するという視点から各キャラの性格を長々と最初から語りたくはありませんでした。そこで「初見でわかりやすくインパクトのあるキャラクター設定にしよう」 という意図で、それぞれのペアの関係を若干特殊なものにしてあります。
さらに、全員主人公なんだ! という気概を込めて「捨てキャラ」は作っていません。1人でも欠けるとこのお話は成り立たない……くらいの愛情で各キャラには登場してもらっています(ギャリックとアルトにもしっかりとしたバックボーンがありますよ!)。
ーーストーリーの大きな流れを通して、表現したかったコンセプトをお聞かせください。
徳永:いまどきのJRPGの大ボスは「人間であり、何か戦わなければならない理由がある」というパターンが多いのですが、私としては「絶対的な脅威……戦う理由なんて要らない! 戦わなければこっちが滅びるだけだ!!」みたいな大ボスが好物なので、まずそれを配置しました。
また、ユーザーが最初にゲームをプレイしはじめるうえで、設定上の理由が必要だと思うのですが、長々とその動機を提示しているとテンポが悪くなる恐れがありました。なので、ユーザーに対して、一言でキャラクターが戦う理由を説明できるような設定にしようと考えました。たとえば……
(1)魔王がいる。
(2)世界が闇に侵食されたから取り戻さなきゃ。
(3)そこに山があるから!
などの設定が思いつきますが、せっかくなら今までのゲームではあまりなかったような世界観にしようと。そこで、映画や他ジャンルでならよく見かけますがゲームでは意外とない「例の設定」を基本ベースとすることにしました。あとは「例の設定」をいかにオリジナルに変換するか……ということを強く意識しました。
パクっているんじゃないですよ!オマージュですよ!! プレイしていただければわかっていただけるはずです!!
※この文章は電撃ゲームス 5月21日発売号に掲載されたものです。
※「ケイオスリングス」をiTunesで!
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